IELTSスピーキングが1年で6.0→8.5に!IELTS本の著書数日本一の嶋津幸樹にスコアアップの秘訣を聞きました
面接官と1対1でやりとりをするIELTSのスピーキングの試験。他の技能(リーディング・リスニング・ライティング)と比べてもプレッシャーのかかる試験です。
今回は、自身のIELTSスピーキングのスコアを1年で6.0から8.5(満点は9.0)にアップさせ、また『IELTSスピーキング完全対策』の著者でもある、リンガハッカーズ開発・監修の嶋津に、IELTSスピーキングをスコアアップさせる秘訣を聞きました!
※リンガハッカーズは、IELTSの受験を勧めていますが、その理由をこちらの記事にて説明しています
英検・TOEIC・TOEFL・IELTS どれを受けるべき?歴史から紐解く各試験の特徴と勉強法
なぜリンガハッカーズは英検準一級取得→IELTS受験の流れを勧めるのか?
回答者:嶋津幸樹
山梨県生まれ。17歳の時に海外進学塾を創業。
青山学院大学文学部卒業、在籍中オックスフォード大学 ELT英語教員研修に最年少参加。
ケンブリッジ英語教員資格CELTA取得。ロンドン大学教育研究所応用言語学修士課程終了。タクトピア英語教育開発推進部長。
IELTS関連の著書として『IELTSスピーキング完全対策』『IELTSライティング完全対策』『IELTS総合対策スピードマスター入門編(Jリサーチ出版)』『ビジュアルで覚えるIELTS基本ボキャブラリー(ジャパンタイムズ出版)』等
―今日はIELTSスピーキングについて教えてください!英検の2次試験の面接とは違ったものですか?
嶋津: 全然違うね。英検は、身近な社会問題や、具体的なテーマに関する問いが基本なんだけど、IELTSは抽象的かつ思考力が問われる質問をされるところが特に違うかな。
僕が初めてIELTSの試験を受けた時に面接官に聞かれたのは、
How do people in your country feel about birds?
「あなたの国の人々は鳥についてどう感じますか?」
という質問で、これにはびっくりした。鳥については全然興味がなかったし、何を答えたらいいのか分からなくて固まってしまった。それでも何かを話さないといけないから、しどろもどろになりながら必死で何かを喋ったよ。その時のスコアが6.0だったんだよね。
―自分の英語を評価する面接官と話すだけでも緊張するのに、そんな質問が来ることを想像したら恐ろしいです……!それでも嶋津さんは1年後に8.5までスコアを伸ばしたんですよね?ズバリ秘訣を教えてください!
嶋津: 簡潔にまとめると、①評価基準の理解、②雑談のテンプレ化、③あらゆるテーマで30秒ピッチ、の3つをやればいい。①の評価基準を学習の方針にしながら、②の雑談のテンプレ化を進めていって、③あらゆるテーマで30秒ピッチができるようにする、という流れだね。②と③は並行してやっていく感じかな。
―それぞれについて、詳しく教えてください!
嶋津: ①評価基準の理解は、そのままIELTSの評価基準を理解すること。評価基準はIELTSのWebページ上に公開されていて、「流暢さと一貫性」「語彙力」「文法知識と正確さ」「発音」の4つ。スコアごとにどれくらいの水準が求められているかも書かれているから、目を通しておいた方がいいし、できれば読み込んでおきたい。英語ネイティブの人でも、この基準を気にせずに話すと満点を取れない場合もあるくらいだから、僕らは絶対に意識しておいた方がいい。
―なるほど!最も適切な単語を選べるように語彙を増やす必要があるとか、その時には正しく発音できるようにした方がいいとか、学習の仕方にも関わってきますね!
次の②雑談のテンプレ化はどんな内容でしょうか?
嶋津: ②雑談のテンプレ化においてすることは、とにかく英語表現を自分の中に溜めていくこと。当たり前だけど、何かを話す時には、自分の中にある表現のストックからしか出てこない。だから自分が何かについて話す時に使える表現を増やして、この時はこの表現、というテンプレートを何種類も作ることが大事。英語を聴いたり読んだりしている時に良いフレーズを見かけたらすぐにメモする。
それから、表現を覚える時は、口に出してみると記憶も定着しやすくなるし、自分が話す時に出てきやすくなる。逆に、自分が知識として持っていることでも、英語表現として口に出してみないと、いざ話そうと思った時に出てこないということ。だから、いろいろな話題で出てくる自分の経験とか、普段自分がよく考えておくことなんかも、英語のテンプレ化しておくといいよ。
―嶋津さんがよく言う「まずはインプット」ということですね!
③あらゆるテーマで30秒ピッチはどういうものですか?
嶋津: ③のあらゆるテーマで30秒ピッチというのは、文字通り、どんなテーマが来ても30秒で話せるように練習すること。「ピッチ」というのは、短いプレゼンテーションのことだね。「あらゆるテーマ」と言われると、どれだけ準備すればいいのか疑問に思うかもしれないけれど、参考までに僕がスコアアップを目指して学習していた時は、過去問をベースにテーマを30個決めて、どれが来ても30秒雑談できるように練習したね。『IELTSスピーキング完全対策』や、リンガハッカーズでは大テーマを20個に設定している。それくらいのテーマで問題なく30秒話せるようになっていれば、それ以外の話題を振られてもかなり応用できるようになっているはず。例えば、色について30秒話せるようになっていれば、その表現を流用してファッションのことについて語れたりね。だから、まずは20テーマを目指せばいい。IELTSでは、1分間のシンキングタイムがあって、その後2分間話す必要がある。練習の時は、15秒で考えて30秒で話すことを繰り返すのがお勧めだね。
―20テーマで30秒……! 一つ一つは短いですが、合計すると結構な量ですね!
嶋津: ここで大事になってくるのが、②で溜めておいたストック。これを使って話す内容を組み立てていくと、複数のテーマで使える表現や文、あるいは自分の経験談なんかが分かってくる。それを活用することで、対応できるテーマの幅がぐっと広がるし、初めての話題に対しても何を話すか考えやすくなる。あとは、実際に話してみる→それを録音する→リフレーズ(言い換え)することを繰り返すのも効果的。IELTSの評価基準には「語彙」があるから、低頻出語を使うことで高評価を得られるし、自分の話す内容を洗練させていくことができる。
最後にちょっと宣伝だけど、『IELTSスピーキング完全対策』はまさに「③あらゆるテーマで30秒ピッチ」ができるように、「②雑談のテンプレ化」を効率よく学習できる本だから、気になったら本屋さんで探してみて!
それから、リンガハッカーズは、月ごとに設定されているテーマについて、基本的な知識をインプットして、それを元に考えて、ディスカッションをする授業構成だから、授業をやるだけでIETLSのスピーキング対策になっている。こっちも気になったら無料体験に来てみて!
―やるべきことが明確になりました!この方法で頑張ってみようと思います!
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