鳥取からカナダへ進学し、農業経済学を学ぶIrene! 〜リンガハッカーズメンター紹介〜
リンガハッカーズ(以下リンガ)になくてはならない大事な要素の一つが、グローカルメンター(以下メンター)の存在。
ちょっと年上のお兄さん、お姉さんであるメンターたちは、英語を教えてくれたり、進路相談に乗ってくれたり、生徒を優しくサポートする心強い存在です。
そんなメンターたちは、いつから英語を学びはじめたのでしょう?どんな思いを持ってリンガに関わっているのでしょう?「リンガハッカーズメンター紹介」と題して、各メンターにインタビューし、詳しく話を聞いていきたいと思います!
今回インタビューしたのは、カナダのマギル大学で農業経済学を学ぶIrene。
インタビュアーは、同じくメンターのHanaです!
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インタビュアー:Hana
山梨県甲府市で生まれ育つ。山梨県立甲府第一高校の探究科を卒業後、富山大学芸術文化学部で建築・デザインを専攻。幼少期から洋画が好きで、4歳の頃に観た”Pride & Prejudice (プライドと偏見)”をきっかけに英語の勉強を始める。イギリスを愛してやまない。
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専攻のきっかけは地元鳥取での暮らし
Hana: 本日はよろしくお願いします!Ireneさんは、現在カナダのマギル大学に在学中ですが、大学では何を専攻していますか?
Irene: 今は学部3年生で、農業経済学について学んでいます。農業経済学は、天然資源の持続可能な利用と、増加する人口を安定的に支えるための食料の生産・流通の両立や最適化を図ったり、農業に関する様々な問題を扱う学問です。他には農業経済学の周辺分野である、環境や生物科学分野の授業も取っています。私は、大学進学まで鳥取に住んでいて、農業を身近に感じていましたが、大学で学ぶようになってから、授業の内容が結びつけられたり、農業について多角的に見たりすることができるようになった気がします。
Hana: 面白そうですね!農業を海外で学ぼうと考えはじめたのはいつ頃からだったのですか?
Irene: 高校に入学するまでは、海外大学への進学を考えたことがありませんでした。転機は高校生の時、アメリカのハミルトン大学に入学されたパワフルな女性が高校に遊びに来たことでした。彼女はアメリカの大学がいかに面白いかを熱弁していて、その影響で私も海外に行きたい!と思いました。進路選択の時は、国内進学・海外進学両方を考えましたが、海外大学進学を志望する人たちとお話をする機会が何度かあり、自分の好きな英語をもっと伸ばしたいと思い、海外進学を決めました。高校がサポートしてくれたことも大きかったですね。
海外進学決断から英語力向上までの道のり
Hana: 海外進学のための英語力は、どのように伸ばしていったのですか?
Irene: 私は、小学校2年生の頃から英語の習い事をしていたため、元々英語の音には慣れ親しんでいました。シャドーイングで発音を真似することを繰り返していたので、小学校5、6年生の時には発音が良くなっていました。一方で英語での会話は全くできなかったので、中学校に入ってからは英単語を一生懸命勉強しました。当時は、英検やIELTSの受験対策として単語の知識を一気に詰め込むように勉強していました。そこで学んだ単語は、留学中にも日常生活の中で役立っていると感じます。色々な勉強方法があるかと思いますが、私の場合は、英語の試験をたくさん受けることで英語学習のモチベーションを継続的に高めていました。
他にも、中学校の頃は、英語弁論大会に参加したり、高校では放課後にALTの先生と英語のスピーキングやライティングの練習をしたりして、英語に関わる時間を確保するようにしていました。
Hana: 自分で工夫しながら英語学習を継続してきたのですね。
Irene: 実はもう一つ、英語の勉強を頑張るきっかけとなった出来事がありました。高校2年生の時に、奨学金をもらえるプログラムで南アフリカに1ヶ月間滞在していたんです。
Hana: 南アフリカ!どんな経験だったのでしょうか?
Irene: タウンシップと呼ばれる貧しい家庭が多い地域だったのですが、そこで幼稚園や保育園で毎日絵本の読み聞かせをしたり、子供たちの教育のための教材開発をお手伝いしたりしました。
プログラムの参加者は全員が高校生で、その多くが日本やヨーロッパから参加していました。ヨーロッパからの参加者は、英語の他にもフランス語やオランダ語など、複数の言語を話せる人が多かったです。私は、スピーキングが得意ではないので、コミュニケーションを取ることもままならず、毎日とてもフラストレーションを抱えていました。
例えば、ヨーロッパからの参加者とホームステイをしていた際に、一緒に生活する中で少し嫌だと感じたことがあったとしても、当時の私には、自分の考えを英語で伝えることが容易ではなかったため、それを上手く伝えることができませんでした。たぶんルームメイトからは、日本人は静かで変なやつだと思われていたと思います。その時に、英語を実践的に使えなくては意味がないと思い、帰国後はスピーキングに対するモチベーションが一気に上がりました。
Hana: 帰国後はどのようにしてスピーキングを対策したのですか?
Irene: 同じ高校に、海外進学を目指していた友人がいたので、学校で会った時には英語で話そうと決めていました。日常のフレーズを意識して使ってみたり、何か言葉に詰まった時は助け合ったりしていました。英単語や文法などのインプットはたくさんしていたので、友人やALTの先生と英語を話すことでアウトプットすることを心がけました。それをずっと繰り返して日々特訓していました。
英単語のインプットに関してはひたすら反復練習で、忘れそうになった頃にもう一回戻って同じ単語を覚え直すことを繰り返していました。私は、英単語帳をマーカーや付箋でいっぱいにする事に達成感を感じていて、二週目以降は覚えていたら印をつけて繰り返すことで、長期記憶にしていました。そこで覚えた単語をIELTSのライティングで使うことも意識していました。
留学したからこその人生経験
Hana: 現在マギル大学に進学して3年目ですが、カナダでの生活はいかがですか?
Irene: 海外の大学に進学したことで、スピーキング力により磨きをかけられています。今でも、日常生活でパッと言葉が出てこなかったり、言葉に詰まってしまうこともありますが、全体的な英語力はとても上がっています。カナダでは、英語を話す友達と一緒に住んだり、遊びに行ったり、一緒に勉強したりすることで、必然的に英語に触れる時間は増えました。英語を話さなきゃいけない環境が、自分にとってはすごくプラスになっていると思います。
Hana: とても充実した大学生活を送られているのですね!カナダで暮らしてみて、何かカルチャーショックを感じたことはありましたか?
Irene: カルチャーショックとも違うかもしれませんが、カナダに来てから二、三回ほど差別的な態度を感じたことがありました。友人とバスに乗っていた時に、全く知らない人から、私たちがアジア人だという理由で、”移民は国に帰りな!”と言われたことがありました。すぐにイヤホンをつけて聞こえないようにしましたが、とても怖かったです。こういう人は本当に稀で、普通は優しい人ばかりなのですが…。これも留学したからこその人生経験だとプラスに捉えるようにしています。
アットホームな環境で、モチベーションを高め合いながら楽しく学ぶ
Hana: Ireneさんは、リンガーハッカーズの教材開発を担当されています。お仕事の中で、Ireneさんが意識されていることはありますか?
Irene: 常に、みんなが教材を楽しく学んでほしいと考えています!例えば、例文に何か面白い要素を入れて、興味を持ってもらえるように意識しながら教材を作っています。授業で使うスライドでは、単語の一般的な使い方に加えて、口語的な言い回しを乗せることで、みんなが日常で使いやすくなるように工夫しています。
Hana: 最後に、Ireneさんにとってのリンガーハッカーズを一言で教えてください!
Irene: ”アットホームな環境で英語の思考力を伸ばせる楽しい場所” だと思います!私は去年の夏にLv.3クラスを担当していました。住んでいる場所は違う生徒同士が、リンガでの授業を通じてお互いモチベーションを高め合いながら切磋琢磨する様子が、とても微笑ましく感じました。また、それが私自身のモチベーションにもなっています。キャンプなどの対面イベントの時に、普段一緒に勉強している仲間と対面で会える機会もあるので、ぜひここでの出会いを大切にしてほしいと思っています。
Hana: Ireneさん、ありがとうございました!