インターン先で修論の研究!?英語教授法(TESOL)を学んだ元インターンに、リンガについて語ってもらいました!

コラム
インターン先で修論の研究!?英語教授法(TESOL)を学んだ元インターンに、リンガについて語ってもらいました!

「英語を学ぶ」ではなく「英語で学ぶ」授業で、英語力だけでなく思考力も伸びる英語学習プログラム、リンガハッカーズ(以下リンガ)。

リンガでは、大学で英語教育や英語学習法を研究する大学生や大学院生もインターンとして参加してくれています。彼らは教材開発においてはその知見を惜しみなく提供し、また授業では良きメンターとして生徒を導いてくれています。

今回は、リンガのインターン期間中に大学院の英語教授法のコース(TESOL)に在籍し、修士論文でリンガを活用したインターン卒業生たちにインタビューをしました。お話してくれるのはこちらの3名!

 

Sandy(サンディ)
2019年〜2020年までインターンとして在籍。在籍中は、リンガコーチとしても活躍。現在は上智大学言語教育研究センターの常勤講師として英語を教えている。大学では、授業アンケートで上位1%に贈られる「学生が選ぶGood Practice」を受賞。(参考:世界観をガツンと揺さぶる英語の授業!大人気講師Sandyさんに聞く、リンガハッカーズの授業のこだわり)

Eunsong(ウンソン)
2020年〜2021年までインターンとして在籍。卒業後は企業に勤めながらリンガコーチとして活躍しながら、教材開発にも携わる。

Ko(コウ)
2021年〜2022年にインターン兼リンガコーチとして在籍。東京の私立中高一貫校で、帰国子女をはじめとする英語力の高い生徒を担当し、英語指導だけでなく、カリキュラムや教材作成にも携わっている。

 

3人はそれぞれどんな研究をしたのか? リンガの仕事と大学の学びはどのような相乗効果があったのか? リンガってどんな職場だった? いろいろと質問しました!

 

さまざまな角度から英語学習を研究

今日はよろしくお願いします! リンガハッカーズでは、教材開発から授業運営、講師まで、幅広く活躍してくれていた3人ですが、大学院ではどんな研究をしていたのですか?

Sandy:
私は、CLIL(※)の授業における生徒同士のインタラクションが研究テーマでした。特に興味を持っていたのは、LOTSとHOTS(※)です。英語の授業中に、生徒に対してLOTSとHOTSの質問を投げ掛けるとどう答えるのか、また生徒同士のディスカッションクエスチョンとしてLOTSとHOTSを提示した時に生徒同士でどんな議論をするか、といったことを研究していました。
※CLIL・・・内容言語統合学習。英語などの言語そのものを学ぶのではなく、その言語を使いながら特定の内容について学ぶ手法のこと。
※LOTSとHOTS・・・低次思考スキル(Lower Order Thinking Skills:記憶、理解、応用)と高次思考スキル(Higher Order Thinking Skills:分析、評価、創造)のこと。教育心理学者のベンジャミン・ブルームが提唱した、6つの学習目標を2つに分けたもの。

Ko:
私は、CLILの授業におけるTranslanguaging、英語と日本語の使い分けについて研究していました。英語と日本語を使うことによって生徒の授業に対する参加の仕方は変わるのか?あるいはどのように授業中に言語を使い分けているのか、ということが研究対象でした。

Eunsong:
私のテーマはCLILではなく、英語学習におけるライティングの方法論について研究をしていました。母国語で文章を考えてから英語に訳してライティングする方法と、最初から英語で文章を考える方法に違いはあるのか?といった内容です。

 

まさに英語学習の研究ですね!自身の研究について修士論文を書く際に、リンガハッカーズでの経験は生かされましたか?

Sandy:
LOTSとHOTSの質問は、まさにリンガでやっていることなので、研究の参加者をリンガ生から募りました。研究倫理的な話をすると、研究に参加者には何らかのベネフィットがないといけないんです。リンガ生の場合は、研究に参加すること=英語の授業を受けられる、ということなので、すぐに参加者が集まりました。

Ko:
私もリンガ生に協力してもらいました。他の修士の学生は、大学の学生から協力者を募っていたのですが、期限ギリギリまで人が集められずに苦労している人も結構いるんです。なので本当に助かりました。

Eunsong:
私も有志のリンガ生に参加してもらい、ライティングの課題に取り組んでもらいました。最後に課題に対して1人ずつフィードバックをしたので、参加のメリットも感じてもらえたと思います。

 

皆さんリンガ生に協力してもらったんですね!具体的にどのようなことをしたのですか?

Sandy:
私はリンガと同じような、ディスカッション中心の授業を行いました。LOTSとHOTSの問い掛けを生徒にして、生徒同士のインタラクションを分析しました。
例えばLOTSに含まれる「理解」は低次思考スキルだと言われているのですが、理解の対象によっては理解すること自体が難しい概念もあります。そんな時、生徒は「これはどういう意味だろう?」と互いに会話しながら、思考力や理解力を刺激し合うことが分かりました。一見LOTSと思える質問も、HOTSになりうるのではないか?という仮説が生まれました。

Ko:
リンガの授業は英語も日本語も使う授業なので、私もリンガの授業と同じような授業を行って録画し、それを分析したり、実際にTranslanguagingがあった時に、生徒にその理由をインタビューしたりして研究を進めました。
印象的だったのは、日本ならではのTranslanguagingの使い方が現れていたことで、「敬意を表すために日本語にする」というものでした。例えばある生徒が、年上の生徒に対して「I think ~~~~. です。」のように、英語で意見を述べた後に、日本語で敬語表現を足していたんです。英語では普段日本語で表現できる敬意が表せなかったので、そこだけ日本語で付け足したわけです。これは面白かったですね。

Eunsong:
私はリンガの生徒10人に協力してもらい、5人ずつのグループに分かれて、2つのトピックに関する英文を書いてもらいました。片方のトピックは日本語で文章を考えた上で英訳してもらい、もう片方は最初から英文で書いてもらい、グループごとにトピックと手法を逆にしました。それらを採点して間違った箇所を分析し、どちらの方法がミスが少ないか、英文を書く方法によって違いがあるのか、といったことを検証しました。
結果は、手法による優劣は見られなかったのですが、日本語から訳したことで発生したミスや、最初から英語で書いたことで発生したミスが発見でき、興味深かったです。

 

大学の授業で学んだことを実践する場

大学院で英語教育を学んだ身として、修論以外でもリンガのインターンは役に立ちましたか?

Sandy:
リンガから受けた影響の大きさで言えば、修論はそのほんの一部だと思います。大学を「座学の場」と捉えたときに、リンガは「実践の場」で、今の自分のティーチングスタイルを確立するのに、とても大きな影響がありました。
例えば、言語学習のセオリーとしては、LOTSの簡単な質問から始めて、次第にHOTSに移行していくのが原則なのですが、私は、必ずしもLOTSから始めなくてもいいのではないか?と思うようになりました。まずはHOTSで学習者の興味を引き付け、その後にLOTSに移るというような流れです。そういった自分なりのスタイルを確立することができるようになったのも、大学でLOTSとHOTSの違いを学び、それをリンガで実践し、生徒に質問を投げかけて反応を見る、という体験があったからです。

Eunsong:
実践の場というのは本当にそうで、教材づくりでも感じていました。CLILもそうですし、LOTSとHOTSの概念は、聞けばなるほどと思うものですが、それを使って実際に生徒が使う教材を作っていくことができたのは良かったと思いますね。

Ko:
リンガで教材開発に携わった経験も、今にすごく生きています。LOTSとHOTSを意識しながら、アクティブな授業をどうやって作るか、ということを今も考えていて、リンガの授業の流れを参考にすることもあります。
今私が勤めているのは比較的新しい学校ですし、担当している帰国子女枠のクラスはカリキュラムや教材を1から作る必要があるんです。1つのユニットでテーマを決めて、そのテーマに興味を持ってもらえるように教材や授業を作っているのですが、やっぱりそうした方が既存の教科書を使った授業よりも生徒が楽しく取り組めるんですよね。教材や授業の作り方は、リンガからたくさんアイディアをもらえましたし、とてもいい経験だったと思います。

最後に、働く場としてのリンガはどんな場所だったか教えてください!

Eunsong:
リンガは、家族みたいな関係性だと思っています。みんな仲が良くて、いいco-workerに出会えるところです。英語を真剣に頑張りたい生徒と、英語学習について真剣に考えている人たちが集まっているので、意見を交換したり議論するなかでたくさんのヒントをもらえました。

Ko:
私、実は直接会ったことのあるリンガのインターンは、Sandyだけなんです。それでも、オンライン上でインターンが集まってミーティングしたり、スライド作成チームで議論したりと、話す機会がたくさんあったので、Eunsongが「家族みたい」と言っていたことはよく分かります。みんなすごく協力的で頼ることのできる、いい人たちなんですよね。だから本当に仕事がやりやすくて。フィードバックも建設的ですし、みんなでいいものを作っていこうという気持ちが感じられていたので、働いていて楽しかったです。

Sandy:
2人の言ったことに心から同意しますね。付け加えるならば、リンガって、すごく任せてもらえる職場なんです。マニュアルに従って仕事をするんじゃなくて、自分たちでマニュアルを作っていくような仕事なので、意味のある仕事を任せてもらっていると感じていました。
また、当時を振り返って思うのは、チームで仕事をすることの価値です。今は教材を一人で作っていますが、それができているのはリンガのインターン時代に同じことをチームでやっていたからなんです。例えばLOTSとHOTSの質問を考えるのも、1人だったら3個ぐらいしか出ないけれど、みんなでやれば20個ぐらい出るんです。将来、英語を教える仕事に生かせるのはもちろんですが、チームで何かを作る仕事はさまざまな場面で役に立つので、そういう意味でもかけがえのない経験だったと思います。

 

ありがとうございました!

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