AI時代の英語学習 アジアNo.1英語教師に聞く「生成AIを活用した英語スピーチ作り」とは?
英語でスピーチを作ることになった皆さん、あるいは今後英語スピーチを作る参考にと記事を開いた皆さん、こんにちは。
学校の英語の授業、全国で開催されるスピーチコンテストなど、英語でスピーチする機会は少なくありません。
今日では、生成AIを使ってラクして原稿を作って⋯⋯ということもできなくはありませんが、せっかくならば
「優れたスピーチ原稿作り」「英語力の向上」を両立させたくはありませんか?
この記事では、生成AIを活用して「優れたスピーチ原稿を作り」「英語力も向上させる」方法を、リンガハッカーズの監修者である嶋津に聞いていきます!
※以前公開の記事で、英語スピーチで悩む「テーマ設定」「原稿作成」についての情報もあります。あわせてお読みいただくと理解が深まります。
英語スピーチはこう作れ!テーマ設定、構成のコツをアジアNo.1英語教師に聞いてみた。
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回答者:嶋津幸樹

山梨県生まれ。17歳の時に海外進学塾を創業。
青山学院大学文学部卒業、在籍中オックスフォード大学 ELT英語教員研修に最年少参加。
ケンブリッジ英語教員資格CELTA取得。ロンドン大学教育研究所応用言語学修士課程終了。タクトピア英語教育開発推進部長。
IELTS関連の著書として、『IELTS総合対策スピードマスター入門編(Jリサーチ出版)』『ビジュアルで覚えるIELTS基本ボキャブラリー(ジャパンタイムズ出版)』等
AIに最初から作ってもらう?
―今回は、AIを使った英語スピーチ作りについて聞こうと思います!早速ですが、まず何と打ち込んだらいいですか?
嶋津: ちょっと待って!最初から頼りっぱなしはダメ!
―え、AI使うんですよね?
嶋津: 最初から文章を作ってもらうことは避けよう。AIはあくまでも補助輪。自転車で補助輪を使うのも、自転車に乗るスキルを身につけるためだよね?いつか補助輪に頼らなくても自走できるように、練習を積み重ねていくはず。スピーチを作る場合も、AIをうまく使えば英語の表現力と思考力を向上させながら、いい原稿を作ることができる。けれどもAIという補助輪に頼りっぱなしでは、肝心なスキルが身につかない。
―なるほど。たしかに、英語力も思考力も身につけたいです!では、嶋津さんが考えるAIを活用した英文スピーチ作りってどんな感じですか?
嶋津:全体像から説明すると、この6ステップ!
①テーマについてブレスト
②ストーリー展開を雑でいいので英文で書く
③いったん清書
④AIを活用して、スピーチを校正
⑤魅力的な展開になるように書き直し(特に冒頭)
⑥展開が魅力的かAIに確認してみる
まずはアナログに自分で考える
―では早速それぞれのステップごとに詳しく教えてください!
嶋津:
はじめに、①テーマについてブレストしよう。オススメは手書きすること。マインドマップなどを使って、そこにテーマに関する自分の考え、想い、過去の経験なんかを書き出す。大事なのは質より量、自分の思考の限界にチャレンジしてみて。以前スピーチの書き方を説明した時に伝えたコツだけれども、スピーチを作る時には、その人本人のストーリーがとても大事。最初に「自分の感情が揺れ動いた瞬間」を振り返るのがとても重要なんだ。
AIに「〇〇についてスピーチを作って」と丸投げしてしまうと、自分のエピソードを元にしていないスピーチができてしまう。そうしてできた原稿は、文章としては上手かもしれないけれど、聞く人にとっては全然面白いと思えない内容なんだ。どんなに小さなことでもいいから、まずは自力で考えてみよう。
―アナログなスタートですね。
嶋津:そうだね。そこから、②ストーリー展開を、雑でいいので英文で書いてみよう。PCやタブレットを使ってもいいけれど、ここでも手書きで書くことをオススメするかな。この時作る英文は完璧でなくてOK!何なら日本語と英語が混ざっていても、間違っていても大丈夫。一回、自力で英文を書いてみることは、自分の英語力を高めるのにめちゃくちゃ役に立つ。
詳しい英文スピーチの書き方や構成については、以前の記事にも書いてあるから参考にしてみて。ポイントは、「言いたいことを表現する1文を決めること」「イントロ・ボディ・コンクリュージョンに分けて書くこと」の2つだね。
―一旦全体像を書いてしまうと。
嶋津:そう。それが終わったら、③いったん清書。Word、Googleドキュメントなどであれば、この時点で校正したり、スペルチェックをしてくれたりするはず。タブレットのメモ機能とかを使うのでもOK。アナログに書いた文章をデジタルのデバイスに移す段階だね。
AIは「校正」に使おう
―デバイスに書き出したら、そのあとは?
嶋津:ここでやっと、④AIを活用して、スピーチを校正していくよ。例えば、「Make it sound more natural. (もっと自然な英語にして)」といった指示は、自分はよく使うね。より自然な英語表現に近づくし、新しい表現を学ぶ機会にもなるよ。
―こうして最終チェックに使って、完成ということでしょうか?
嶋津:まだまだ!スピーチをするときって、ただストーリーを話すのではなく、魅力的に展開させることが超重要。今度は⑤魅力的な展開になるように書き直しをしていくよ。そこで大事になってくるのが、最初の「フック」。いわゆる質問(例:皆さんは〇〇を知っていますか?)や名言(例:かのアインシュタインは、「神はサイコロを振らない」と言いました。)、統計的な数字(例:世界で、〇〇な人は1億人いると言われています)で始めることで聴衆を惹きつけるテクニックのこと。最初の1〜2文、時間にして10秒くらいだけれど、これもまずは自分で作ってみて。
最後に⑥展開が魅力的かAIに確認してみる作業をするといいね。スピーチの評価基準が明らかであれば、それに照らし合わせてこのスピーチの内容はどう?と聞いてみることで、さらなるブラッシュアップができるはず。
―原稿が完成したら、あとは練習していけばいいですね!
嶋津:この後も原稿を修正するタイミングがあるよ!おそらくスピーチを練習していく中で、「この単語の発音が難しい」「この1文をスムーズに話せない」といったことに気づくと思うんだよね。そんな時に、「〇〇という表現を簡単な英語に言い換えたい」などとAIに相談してみるといいよ。これもある意味校正だね。
―たしかに、自分にとって難しい単語ばかりになってしまう時もありますね。ちなみに、AIは発音の練習にも使えますか?
嶋津:
音声認識の機能はあるので、英会話の練習としては使えるけれど、細かな発音の練習はChat GPTなどのAIではまだ難しい。発音のフィードバックなどは、発音認識に特化したアプリや、実際に英語の先生に聞いた方がいいと思うよ。
AI時代に人間にしかできないこと
―AIを活用するにあたって特に気をつけたほうがいいことはありますか?
嶋津:実はAIを活用することによる影響の研究も進んできていて、人間の思考力に悪影響をもたらしているとも言われている。
例えば、アメリカにあるMITの研究によると、AIを使ってエッセイ(大学の課題でミニ論文のような物)を書いた人は、自分自身で考えて書いた人よりも、深く思考できていなかったり、自分の書いたものを忘れてしまっていたりしているらしい。
―なるほど、難しい時代だ…。AIと共に学ぶ時代に努力すべきことは何でしょうか?
嶋津: 「STEAM教育」というのが少し前に話題になっていたけれど、その”A”(Art)の部分、つまり細やかな表現力、感性はAIにはできない部分だと思うね。声やトーン、身振り手振りで人の心を動かすことは人間ならではの緻密なスキル。スピーチは、内容のみならず、どうやって話すかというデリバリーも大きく評価されるよ。これからの時代は、豊かな感性や、自分の個性を磨き続けていくことがもっと大事になっていくからね。
―ありがとうございました!スピーチで伸ばせる表現力は、人間ならではのスキル⋯⋯!
AIを上手に活用しながら、スピーチ作りと練習、頑張ります!
リンガハッカーズでは、年に一回スピーチコンテストを開催しています。
今年度の詳細・応募はこちらから!
下記ページから、Lingua Speech Awardの優勝者インタビューもご覧いただけます。
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