イングリッシュキャンプレポート Lingua Franca English Camp in Shiga 2022
3月27日〜29日に、Lingua France English Camp in Shiga 2022を開催し、全国から28名の小中高生に参加いただきました。
年齢も、出身地も、英語レベルもバラバラの28人。そんな参加者たちを英語だけでなくさまざまな面からサポートするのは、メンターと呼ばれる大学生たちです。今回は、イギリス出身のJacob、 シンガポール出身のXenia、 山梨出身のNagiasa、そして福井出身のMisatoの4人が、メンターとして参加者に伴走してくれました。
28人の参加者と4人のメンターたちがどのように3日間を過ごし、成長を遂げたのか?
メンターとして参加したMisatoによるレポートをお届けします!
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Misato Fujii
福井県と石川県で生まれ育つ。仁愛女子高等学校卒業。高校在学中に一年間のニュージーランド留学と、高校生外交官としての渡米を経験。現在は国際教養大学にてリベラルアーツを学んでいる。今夏から約一年間のカナダ留学予定。
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皆さんこんにちは!今回のキャンプのテーマは「世界のランドマーク」。世界各地にあるランドマークについて知るだけでなく、自分たちでランドマークを設計しプレゼンテーションするのが今回の大きな目標です。
ランドマークはただの建物なのか?ランドマークの意味は?人工物なのか自然にできたものなのか?建築物なら、どうやって強度を持たせる?などなど、様々な面からランドマークについて学び、考えていきます!
1日目:お互いの個性にもはやカルチャーショック!?非日常に飛び込んだ28人
晴天の滋賀県に日本各地から緊張した面持ちの28人が集まってきました。
受付を済ませ、それぞれのテーブルに座ると、なんとなくみんなの視線は下を向いています。
日常では出会うことのない年齢や出身の仲間たちと3日間の共同生活を送ると思うとそれはそれは緊張しますよね。今回講師を務める嶋津さんはこの現象をよく「お通夜」と呼びますが無理もありませんね(笑)。全く知らない人たちと3日間、英語を使って共同生活なんて言われたら、大人でも、いやむしろ大人の方がびっくりしてしまうかもしれません。でもこれこそがキャンプの魅力とも言えます。この絶妙に気まずい非日常空間が、思ってもみなかった自分の面を知るきっかけになったりするんです。
まずはアイスブレイクを行います。アイスブレイクは、私が好きな言葉でもあるのですが、文字通り氷を壊していくことが目的のアクティビティです。初対面の人たちが緊張して気まずい雰囲気が漂っている状態を氷に例え、それを壊すという意味があります。
最初におこなったアイスブレイクは”Find Somone Who” というもの。ハリーポッターを全巻読んだことがある人はいる?犬と猫を飼ったことがある人は?日本の中で10都道府県以上を訪れたことがある人は?など紙に書かれた条件に一致する人を見つけ出し、当てはまった人にサインをもらいます。参加者は緊張しているはずですが、部屋中を歩き回り、どんどん周りの人にインタビューをしていきます。立ち上がって歩きながら、条件に当てはまる人を見つけていくことで、仲間たちの名前を覚え、小さい達成感を積み上げていきます。みんなの表情が和らいでいくのが印象的でした。
滋賀県の美しい自然に囲まれたキャンプ地で天気にも恵まれたため、次は外でアイスブレイクを行いました!広い芝生の上に立って、二列に分かれて向き合い、1分の間にペアの人と共通点を探し出します。何の共通点もなさそうな相手だったはずなのに、どちらも沖縄に友達がいる、アメリカに住んだことがある、など意外な共通点がどんどん出てきます。学年でトップの成績を取ったことがあるとか、トライアスロンがものすごく得意など意外で素敵な仲間の一面を知ることができたようでした。雄大な自然と晴天も手伝ってか、部屋に戻る頃にはみんな笑顔いっぱいでおしゃべりを楽しんでいました。嶋津さんの後ろを楽しそうに歩く参加者たちの姿はまるで河川敷を歩く金八先生と3年B組といった雰囲気で、私もすごくほっこり、温かい気持ちになったのを覚えています。
2日目:ただの建造物ではない!ランドマークを掘り下げる!
2日目は最終日のプレゼンテーションに向けてのインプットが多くなります。メンターそれぞれが得意なことを生かして、ランドマーク製作に役立つような様々なレクチャーを行いました。
まずはイングランド出身のメンターJacobによるロンドンランドマーククイズからスタート。ロンドンには多様なランドマークが存在します。バッキンガム宮殿のような歴史的なものから、ロンドンアイのような近代的なものまで非常に様々です。Jacobお手製のクイズを楽しみながら数多くのランドマークについての雑学を吸収していました。メンターのNagisaは日本の神話に興味を持ったことをきっかけに、寺社仏閣への豊富な知識を身につけました。彼女のレクチャーでは、神社とお寺の違いを学ぶことができ、参加者たちも身近な文化や建物の裏側にある長い歴史やそれらが象徴することについて理解を深めていました。レクチャーの後にはたくさんの手が上がり、みんな興味津々の様子でした。この「質問ができる」というのは、簡単なことに聞こえますが、なかなかすごいことです。24時間前にはお通夜のようにしんとしていた参加者が、周りの目を気にせずに興味があることについて質問する。この成長ぶりには本当に驚きました。
インプットだけでなく、実践型のアクティビティーも多く行われた2日目。
メンターのXeniaが行ったのは建物の構造に関するプレゼンテーション。それを踏まえて自分たちもミニチュアのタワー建設に挑戦します。そのタワーを作る材料は、なんとマシュマロとつまようじ。つまようじが柱に、そしてマシュマロが接着剤の役割を果たします。多くのグループが四角柱のタワーを作っていく中、一つのグループだけが三角形を利用したタワーを作っていました。タワー完成後、メンターが地震を模して各グループのタワーが建設されたテーブルを揺すります。どんどんタワーが倒れていく中で、最後までつまようじ一本も落ちなかったグループは、三角形を利用したグループでした。自分たちが普段生活している中で、建築物の骨組みを意識することは滅多にないかもしれませんが、こういった経験をすることで日々の物事の見方が少しずつ広がっていくのではないかなと思います。見えているものだけが全てではないということであったり、 英語では”think outside the box”と言いますが、枠組みを超えて考える力をつける原動力になっていくのではないかと思います。
慣れない場所で共同生活をしながら頭をフル回転させてうんと疲れているはずですが、夕飯を食べお風呂に入った後もキャンプは続きます(笑)。
この日の夜は、5人のメンターが大学に関してプレゼンを行いました。とても興味深かったのは、参加者の質問が途切れなかったことです。ほぼ全員の手が上がっていました。この時に初めて手が上がった参加者をみたときは、私もガッツポーズをしたいような心境で、こんな瞬間に立ち会えるのは本当に幸せだなと思った夜でした。
寝る直前まで全力疾走した2日目。最後の最後にはみんなで輪になってたくさんのゲームをしました。消灯の時間ギリギリまで笑い声が響いたキャンプ会場でした。
3日目:自分の限界に挑戦!
2日目に降っていた雨も上がり、川の近くでラジオ体操をして1日が始まりました。
頭も身体も心もたくさん使って疲れもあるはずですが、みんな午後のプレゼンテーションに向けて全力です。キャンプ序盤はまだ不安そうな様子だった参加者たちも、この日は全く顔色が違います。
昼食後、いよいよプレゼンテーションの時間です。グループで協力する、人前で話す、英語を使って言いたいことを表現する、などなど、普段しないことばかりのプレゼンに緊張が高まります。ギリギリの時間まで原稿を見直していたグループや、タスクの分担がうまくいかなくて、全てが思い通りにはいかなかったグループなど、いろんな場面がありました。それでも頭をひねって、心を開いてこの時間のためにできることを一生懸命やったという実感が、みんなを強くしているように見えました。
直前まで「英語下手だから…」なんて言っていた参加者たちも、メンターがびっくりするような堂々とした姿で作品を紹介してくれました。
プレゼンの後では、「なんか帰りたくないなー」「もっと1日目から話せばよかったー!」なんて声も聞こえてきました。1日目の空気からしたら大違いです。参加者がこうしてボソッと囁いてくれる一言に大きな成長を感じました。きっとみんなうまくいかなかったり、悔しいこともいっぱいあったと思います。それでも横に並んでお喋りしながら少し名残惜しそうに帰っていくみんなの姿はとても誇らしかったです。
私自身、今回参加してくれた参加者皆のおかげで自分を知ることができた気がしています。人と一緒に作業したり何かを作り上げること、その過程で周りの人と相談しながら伴走したり、時には後ろから後押ししてみたり。そんなことが私はとても好きなんだと今回のキャンプで教えてもらいました。参加者のみんなの中にも、自分の実力を必要以上に低く見積もってしまっている参加者もいましたが、それは私も同じでした。みんなよりは経験や年齢は上だったとしても、「うまくできるかな?」「どう思われてるかな?」とか「私よりもあの人の方が適任なんじゃ?」なんて考えることもたまにあります。ですが、今回のキャンプの中で、参加者のみんな、そして一緒に働くタクトピアの人からもらった言葉や反応から、自分に対しての自己評価をアップデートすることができました。月並みな言葉ではありますが、自分の持っているポテンシャルを誰でもない自分が信じてあげることは本当に大切なことだと思います。最初はもちろん一人ではできなくても大丈夫だし、そのために仲間がいるんだということをメンターの私が教えてもらったキャンプとなりました。
いかがでしたでしょうか?
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