世界に通用するには英語力だけでは足りない!教養を身につける”グローカルテーマ”とは? 〜リンガハッカーズがよく分かる③〜
アジアNo.1英語教師は、オンライン英語学習プログラム”リンガハッカーズ”にどんな英語教育の理想を詰め込んだのか?
プログラム開発責任者の嶋津に様々な角度からインタビューしながら紐解いていく本企画。
最終回のテーマはリンガハッカーズのプログラムの基盤となっている”グローカルテーマ”とは何なのか?です!
グローカルテーマを学ぶことでどのような成長が期待できるのかをざっくばらんに聞いてみました!
本記事では、グローカルメンターズ・Tamakiに、インタビュアーをしてもらいました!
第1回はこちら:英語力を伸ばすのに必要なメンターの存在とは? 〜リンガハッカーズがよく分かる①〜
第2回はこちら:世界で通用するために必要なのは、英語力だけではない。真に必要な7つの力とその習得方法とは? 〜リンガハッカーズがよく分かる②〜
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目次
【インタビュアー紹介】
オランダ・ライデン大学在学 インターン生 Tamaki
【インタビュー対象紹介者】
アジアNO.1英語教師 嶋津幸樹
【インタビュー】
Q.教養を身につける・グローカルテーマとは?
Q.なぜ「グローバル」視点と「ローカル」視点が重要なのか?
Q.アジアNo.1英語教師が「グローカルテーマ」を通じて得てほしい学びとは?
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Tamaki Naramoto
長野県長野市で生まれ育つ。長野市の公立高校を卒業後、金沢大学に進学し一年で退学。現在はオランダのライデン大学にて東アジア地域を専門とした国際学を学び、中国語を勉強中。趣味はお菓子作り、K-pop鑑賞、愛犬との散歩。======================================================================
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インタビュー対象:嶋津幸樹
オンライン英語学習プログラム 『リンガハッカーズ』開発・監修ロンドン大学教育研究所応用言語学修士課程修了。ケンブリッジ英語教員資格Cambridge CELTAを取得。世界で最もイノベーティブな教育を実践する英語教師に贈られるPearson ELT英語教育ティーチャーアワード2017を世界108ヶ国1395名の応募から選出され受賞。これまで青山学院大学、相模女子大学、山梨県立大学で講師を務める。英字新聞ジャパンタイムズAlpha連載。著書9冊。
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教養を身につける・グローカルテーマとは?重要なのは「グローバル」視点と「ローカル」視点
Tamaki:
今回はグローカルテーマについてお話をお聞きします。そもそもグローカルテーマとはなんですか?
嶋津:
グローカルテーマは時事問題や一般教養など、世界に行っても日本にいても知っておいたほうがいいこと、議論すべきことをテーマとして選んでいるんだ。グローカルは、自分から見て外の世界を指す「グローバル」と、地元や自分の内なるものを指す「ローカル」という二つの単語の融合。世界に出ていくためには、ローカルとグローバルの二つの視点の両方が必要であるという思いから、グローカルテーマと呼んでいるよ。
Tamaki:
現在グローカルテーマは20個ありますが、それらはどのように選ばれたのですか?
嶋津:
僕が10年以上面白いトピックを扱ってきて、CLIL型で作りためてきた授業教材が250くらいあったから、その大量の教材を整理するためにグローカルテーマを作ることに決めたんだよね。グローカルテーマを選定する際には、それらが自分に関係のある話から世界の話まで、森羅万象をカバーできるように、自分の世界から外の世界に徐々に広げていくという方法を取ったんだ。AbilityやHealthという自分に関するテーマから始まり、最終的にはPoliticsやUniverseといった社会の仕組みにまで広げていく、これが20個のグローカルテーマの厳選方法。
なぜ「グローバル」視点と「ローカル」視点が重要なのか?
Tamaki:
自分に身近なテーマから、世界に関することにまで視野を広げていくんですね。では、グローバルとローカルの二つの視点が必要とされる理由は何ですか?
嶋津:
世界に広がっていくのがグローバル、自分に近づいていくのがローカルだけど、究極のローカルは自分自身。英語だけを学ぶとか、世界のことを知るだけではなく、自分自身の興味や考えを発信することが大事なんだよね。リンガインタラクティブ(リンガハッカーズの双方向型スピーキング授業)の中で、触れたこともないようなトピックについて考えて発言する時点で、そのトピックは生徒にとって自分ごとになり、生徒自身の世の中の現象に対する見方が変わると思うんだ。
Tamaki:
私はメンターとして授業に入った時に、リンガハッカーズの受講生の子達がみんな自分の意見を持っていたことに驚きました。英語で考えを述べることが難しいときは、日本語を使って発言してくれます。リンガハッカーズの受講生は自分の意見を発信する能力が高いと感じました。
嶋津:
リンガハッカーズの授業では英語を強制していないんだよね。それは、英語で話すことよりも、授業中に日本語を使ってもいいという環境で意見を発することを重要視しているから。“LinguaHackers” という名前の中に全く英語の要素はないんだよね。Linguaは言語、Hackは自分のものにするという意味。言語というのは、何かをやりたいときに必要かどうかが重要。 例えば中国史を勉強したかったら中国語が必要だし、建築に興味を持って、建築の資料がスペイン語で書かれていたらスペイン語を勉強する。このように、何かにハマったときに必要な言語を自分で見極めて学ぶことが大事。 ただし、英語は1番選択肢が広がる言語だから、LinguaHackersでは英語を勉強しているよ。
Tamaki:
私の場合は、第一言語が日本語で、今は大学で英語を使って東アジアのことを勉強しているんですが、 日本語と英語のコンビネーションは東アジアを研究する上ではとても有効なんです。日本語で調べると、日本や東アジア全体について日本目線で書かれている文章が出てくるし、 英語で検索すれば西洋視点の論文や、世界各国の学者が英語で書いたものが出てくる。言語によって視点が異なるし、アクセスできる情報の範囲も異なります。
嶋津:
そうだね、言語によって新たな視点も得られるよね。リンガハッカーズにおいて、英語はツールであって目的ではないので、究極を言うと、グローカルテーマの方が英語よりも大切になってくる。
アジアNo.1英語教師が「グローカルテーマ」を通じて得てほしい学びとは?
Tamaki:
リンガハッカーズは英語のプログラムですが、英語と同じくらい、グローカルテーマについても深く学ぶのですね。嶋津さんは、グローカルテーマを通して、リンガ生の皆さんにどのような学びをして欲しいと考えていますか?
嶋津:
個人的な意見としては、必ずしも全てのテーマをちゃんと勉強して欲しいとは思っていなくて。向き・不向き、得意・不得意があるから、全部をオールラウンドに知っているような、頭のいい子になって欲しいわけではないんだよね。それよりも、テーマの中の何かにハマった時に、それについて自らが調べたり、学んだりする探究心を開花させて欲しい。例えば、昆虫食というテーマを面白いと思って、生物学の博士号を取っちゃうくらい、テーマが探究心の起爆剤として機能することを期待している。
Tamaki:
汎用性よりも専門性を極めて欲しいということですね。
嶋津:
グローバルテーマで世の中のことを網羅的に学びながら、結果的に何が1番自分に合っているかを見極める。やりたいことや勉強したいことを知っておくと、大学進学で学校や学部を選ぶ際のbetter decision(より良い選択)につながると思うよ。
Tamaki:
多くの選択肢を知ることによって、ベターな選択ができるということですね。私も高校生の時は日本の大学に行く選択肢しかなかったので、高校卒業後は金沢大学に行きました。でも、自分の求めていた大学生活とは何かが違うと感じて、中退してライデン大学に行きました。金沢大学で過ごした一年は無駄な時間だったとは思っていなくて、それがあったからこそ、私は日本の大学の雰囲気やシステムが好きではないとわかった上で、違うことをやってみよう、オランダの大学に行ってみようという選択肢が取れました。多くのことをやってみて、「自分にとってより良い選択とは何か」に気が付くのは大事です。
嶋津:
そうだよね、どちらの大学が良いかは経験してからじゃないと分からない。グローカルテーマを扱うのも、海外に行って欲しい訳ではなくて、それよりも様々な選択肢を知った上でどれがいいかを自ら選んで欲しいと思っているから。ある選択をする上での判断材料がたくさんあった方が、自分とってベターな選択ができる。ベストな選択は存在しないけど、ベターな選択を繰り返すことで自分に適した世界を選べるようになり、自らで人生の道を切り拓けるようになると思う。
Tamakiまとめ
今回はグローカルテーマについて嶋津さんにインタビューしました。グローカルテーマとは何か、どのように選ばれたか、そしてそこに込められた嶋津さんの思いまで語っていただきました。世界のことと自分のこと、両方のことを知り、多くの選択肢の中から自分に適したベターな選択をする。私もこの点を意識して継続的に視野を広げる努力をしていきたいし、それと同時に、リンガハッカーズの授業を通じてリンガハッカーズの受講生がベターな選択をできる環境を作りたいと思いました。