English Camp in Nagano 2022 レポート

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English Camp in Nagano 2022 レポート

7月23日〜26日に、Lingua Franca English Camp in Nagano 2022を開催し、全国から22名の小中高生に参加いただきました。

年齢も、出身地も、英語レベルもバラバラの22人。そんな参加者たちを英語だけでなくさまざまな面からサポートするのは、メンターと呼ばれる大学生・大学院生たちです。今回は、Keita(ミネルバ大学)、Tamaki(ライデン大学)、Nanaka(国際基督教大学院)、Sho(エディンバラ大学)の4人が、メンターとして参加者に伴走してくれました。

22人の参加者と4人のメンターたちがどのような4日間を過ごし、成長を遂げたのか?
メンターとして参加したKeitaによるレポートをお届けします!

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Keita Ueno
横浜で生まれ育つ。日本の高校を飛び出してUWC-USA(全寮制インターナショナルスクール)に入学、卒業後、Minerva Universityに進学。世界7都市を周りながら政治経済を学んでいる。

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今回のキャンプのテーマは「動物」。動物の英語名から、その生態系、生物多様性、絶滅危惧種の話まで幅広い動物関連の探究テーマを英語で学びました。最終ゴールは、「探究した動物世界を英語でプレゼンすること」。4日間かけて実際に使える生きた英語を身につけると共に、動物の世界の奥深さに触れました。

このレポートでは、キャンプを運営し、参加者の成長を目の当たりにしたメンターの立場から、キャンプにおける大事な3つの学びを紹介していきます。

 

学び1:学校で教えてくれない英語と意見形成の力

LinguaHackersのイングリッシュキャンプでは、学校の授業とは異なる形で英語を教えています。それは、テーマについて理解を深めながら英語を同時に学ぶという方法です。今回は動物というテーマ・内容について目標言語である英語を用いて深く探究していきました。

例えば、メンターのShoが行った授業では、ペット販売の人道性について考え、もし自分がペットを飼うとしたらどんな媒体で受け入れるのがいいかを話し合いました。

ここで大切なのは、まずは「伝えたい!」と思える自分の意見を持つことです。日本語で考えても難しいトピックに触れ、考えていく中で、最終的には自分の考えを英語で効果的に伝えることを目指しました。

私たちがこのようなアプローチを取るのは、「使える英語を習得する」ことを大事にしているからです。英語を何のために学ぶのかということを考えるとき、私は言語=手段として英語を学ぶ意識が大切だと思っています。コミュニケーションを取ることや、英語の情報を理解することなど目標は様々ですが、それらを達成するための道具として英語を使えるようになることが重要です。そのためキャンプでは、学ぶ内容を意識したプログラムを組むことで、参加者が英語を手段として使う感覚を養えるようにしました。

参加者たちは、普段とは違う英語の学び方に少し戸惑いを見せながらも、興味を持って取り組んでいました。動物というテーマ一つとっても、パンダ外交や捕鯨の是非、ビーガン食の特徴、進化の過程と種族が作り上げる複雑なシステムについてなど、多岐にわたる内容について議論をしました。

学び2:英語でのプレゼンテーションの経験

今回参加者は、それぞれ4日間かけてリサーチを進め、最終プレゼンでは紹介したい動物一つについて1分間で発表してもらいました。

初めに参加者たちが直面したのは、伝えたいメッセージを吟味する難しさでした。普段「好きな動物は何?」と聞かれたときの答えから何歩も深入りし、1分間かけて語るというのはなかなか簡単にはできません。プログラムを通して参加者同士やメンターと話し合い、情熱を持って語ることのできる動物を探していきました。


次に行ったのはプレゼンの原稿作りでした。探究の幅が広がり知識が増えたからこそ、参加者たちはプレゼンとしてまとめることの難しさを感じたと思います。本当に伝えたい情報を取捨選択し、聞いている人に興味をもってもらえる内容になるために表現に磨きをかけるのは、気の遠くなるような作業です。ですが、こういった努力を根気よくやっていく中で得られた英語力や表現力は、計り知れないものがあります。

最終日に向けて、参加者はフィードバック→修正→練習のサイクルを繰り返しました。個人リハーサルの時間では、聞く人の関心を保つ表現方法に焦点を当て、メンターからもらった修正ポイントを取り入れながら反復練習をしました。自由時間にもメンターたちに何度もアドバイスを求めたり、発表直前まで練習し続ける参加者の姿には感銘を受けました。

たくさんの時間をかけて準備したプレゼンはどれも素晴らしいものばかりでした。参加者22人のプレゼンを全て紹介したいくらいですが、一例を挙げると

・あまり知られていないミジンコの生態について
・ゾウのしわの役割について
・イカの生態とイカ墨の特徴について
・知られざるカンガルーの袋の構造について

などなど、多種多様なテーマで、メンターの私自身も学びながら楽しく聞くことができ、また参加者も仲間の発表を興味深く聞いていました。一人二役で会話をしながら質問に答えるユニークな方法を採用したり、自己表現が苦手だったのを乗り越えプレゼンで笑いを取ったりするなど、それぞれの参加者の工夫と成長も見られました。

練習以上の成功を収めた人から、上手くいかなくて悔しい思いをした人まで様々でしたが、私としては、全員がプレゼンをやり切ったことを誇りに思います。何かに必死になって取り組んだとき、その経験は血肉となって残っていくものだと再確認させられました。

 

学び3:刺激的な環境で4日間を過ごすという経験

キャンプの最後に、メンターとして参加者にコメントをした時に、こんなことを言いました。

「4日間で学んだ英語の語彙や文法、また動物に関連したトピックの知識などは、このキャンプで一番大切なことではないと思います。一番はこのキャンプの経験としての価値、それを感じてほしいです。感情の揺さぶり、発見した情熱、感嘆させられたロールモデルの姿。それらを胸に人として成長し、これからの努力に繋げていってくれたら嬉しいです。」

 

 

このようなコメントを残したのは、キャンプで参加者の皆さんの成長を肌で感じることができたからでした。その成長は、参加者一人ひとり違うものです。それが表れるのが最終プレゼンだった人もいれば、キャンプ後の勉強に対する向き合い方の変化であったり、私たちが知り得ない未来の挑戦かもしれません。ただ、参加者それぞれの変化の兆しはキャンプ中の随所に表れていたように思います。

印象的だったことは、参加者全員のリフレクション(毎日行う振り返り)の質の向上です。初日のリフレクションでは、「緊張してうまく話せなかった」「外に出て体を動かすアクティビティが楽しかった」などのコメントが多くありました。しかし日が進むにつれ、参加者たちの学びの意識に変化が見られ、自分に足りないと思ったスキルの話や、次の日に向けた具体的な行動目標など、より建設的で核心をついた気づきを挙げるようになりました。

もちろん、4日間という短い時間の中で、人が大きく成長することは難しいかもしれません。しかし、プレゼンが思ったようにいかなくて静かに悔しがる姿や、目を輝かせてメンターに今後の目標を語る姿を見ると、このキャンプでの経験がそれぞれの参加者に大きなインパクトを与えてくれたのではないか思います。

参加者の皆さんには、たくさんの挑戦の原動力となった経験を胸に、得た学びやきっかけを今後に活かしていってほしいと思います。

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