嶋津初の一般書籍『アジアNo.1英語教師の超勉強法(DHC)』の一部をご紹介します!④

コラム
嶋津初の一般書籍『アジアNo.1英語教師の超勉強法(DHC)』の一部をご紹介します!④

タクトピアの英語教育エキスパート・嶋津幸樹が初の一般書として執筆した『アジアNo.1英語教師の超勉強法(DHC)』。高校生時代のホームステイ先での厳しい体験がきっかけとなり、高校生ながら英語塾を起業、独学でIELTS 8.0を獲得、オックスフォード大学ロンドン大学(UCL)の修士課程にダブル合格、そして世界最大の教育会社Pearsonが主催するELT Teacher Award 2017でアジア・オセアニアから唯一受賞…と輝かしい人生を残してきた嶋津そんな嶋津の実は波乱万丈な人生ストーリーと、英語の学習法がギュッと詰まった本書籍の一部をご紹介します。


ロンドンで新しい挑戦!世界大学ランキング教育分野1位ロンドン大学教育研究所で日本の英語教育を研究する!

ネズミ付き家賃14万円のアパートでの生活

タクトピアが始動し仕事をしながらのロンドンでの生活は過酷なものだった。1年で帰国するはずのイギリス留学が3年目に突入してしまったことで節約生活を強いられることとなった。当時ロンドンの為替レートは1ポンド190円近くまで上がりロンドンの中心地の最も安い賃料が高騰し、多くの学生寮の値上げを余儀なくされていた。月15万円以下の物件さえも見つからずロンドンに移住してから1ヶ月間は16人部屋のホステルやairbnbを転々としていた。世界中を旅する若者からホームレスまで、大学の中では出会うことのない人たちと貧乏生活をしながら暮らしていた。

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1ヶ月の放浪生活後、キッチンとトイレ共用の家賃14万のアパートを発見し、8人の国籍の違う20-30代の若者での共同生活、見た目はお化け屋敷で部屋にはネズミが出入りする4畳半セキュリティーのない環境での生活が始まった。

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この部屋でネズミを駆除しながら大学院入学の準備を始めリーディング課題をこなしていった。

一風堂のラーメンが2500円

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毎日パスタやポテト、フィッシュ・アンド・チップスの生活にうんざりし、初めて足を踏み入れた日本のラーメン屋一風堂では当時のレートで1杯2500円。味は日本のラーメンと同じく涙が出るほど美味しかった。月に1回のこのラーメンを食べるために頑張ろうと心に誓った。

タクトピアで新しい英語教育プログラムの開発

ロンドンでの生活が始まると同時にタクトピアの業務も始まった。タクトピア共同創業者白川寧々が生み出した英語学習プログラム『ネイティブマインド』は世界の一流の無料動画コンテンツを教材用に厳選し本物の英語を学ぶ仕組みが出来上がっていた。言語レベルを過度に調整した教科書的なコンテンツではなく、あえてネイティブが日常的に楽しむコンテンツを使用することで、活きた英語に触れることを、また知的興味を引くトピックが満載で、グローバルコミュニケーションに必要な世界の教養を身につけることを到達目標に設定した。

まずは動画を視聴しビジュアルで語彙を学び字幕付きで再び視聴し問題を回答しディクテーションを行う仕組みを作り、オンラインで学習した後にネイティブスピーカーと1時間のビデオ電話でやり取りを行うというレッスン内容を作成した。四技能統合型学習でアメリカやイギリスの大学入試で使われるTOEFLやIELTS対策の教材をネイティブ脳チームを編成し、日々作成していた。最先端のアクティブラーニングを実践する鳥取県の青翔開智中高で早速導入していただけることが決まり、ディスカバリーチャンネルからも協力も得て、動画ベースの英語学習教材を大量に作り始めた。白川寧々と夜な夜なスカイプ議論をして理想の英語学習教材が出来上がり始めた。一時帰国して全国の中学高校大学でネイティブマインド講演会や模擬授業を実施し、山梨では代表の長井悠と白川寧々とグローバル講演会をしてまわった。

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世界大学ランキング教育分野1位のロンドン大学教育研究所に入学

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最終的に進学先として決めたUniversity College London(ロンドン大学)は1826年設立。当時世界大学ランキング7位でチャールズダーウィンが種の起源を発表し、卒業生にはマハトマ・ガンジーやアレキサンダー・グラハム・ベル、そして伊藤博文や夏目漱石が学んだ大学として世界ではよく知られている。150年記念に安倍総理もUCLを訪問し英国内では話題となったがなぜか日本ではこのことは大きく報道されず、UCLという存在すらも知られていない。

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そんな大学のオリエンテーションでは世界中から教育に志を持つ人々が集まってきた。僕が在籍した応用言語学部には80名程の学生がいたが日本人は僕と日本から来た高校教員の2名のみ。クラスメイトの国籍も多種多様!大学の学部ではケンブリッジ大学やコロンビア大学から来る学生や2つ目の修士課程を取得しに来た方、20年以上の英語教育歴の方まで授業のディスカッションも非常に盛り上がった。

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授業は3時間、読み終わらないレベルのリーディング課題、1学期に5000語のエッセイを4本書くこともあり、修士論文は15,000語、プレゼンやディスカッションの準備で1日14時間図書館に閉じこもるのが普通の生活となっていた。

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さらに学生だけでなく二足の草鞋でタクトピアで働くこととなったので夜の12時まで勉強してイギリス時間の夜12時(日本の朝9時)から日次ミーティングが始まった。朝5時まで仕事をして帰宅し、数時間後には図書館で課題をこなす日々。この頃、ネイティブマインドの開発と共に日本の英語教育にインパクトのあるプロジェクトを虎視眈々と準備していた。

海外大学生を起用したイングリッシュキャンプの開発

海外大学生との学びを通して、この環境を日本で再現したいと思いEUGENIC時代に始めた教え合うイングリッシュキャンプにタクトピアの目指す『多様性』と『創造性』をブレンドした新しいイングリッシュキャンプをやってみたいと思うようになった。大学の友だちに声をかけて、日本や教育に興味のあるロンドン大学生を集めてタクトピアが目指す世界を熱弁し、タクトピアでロンドンチームを結成した。

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世界で戦う自信が付くアントレプレナーシップ海外研修

さらに今や日本中が注目する大阪箕面高校でのボストン研修にもアテンドさせて頂けることになった。その研修には山梨の教え子も参加することとなり、山梨の教え子第一号でアメリカワシントンの日本大使館に務める元生徒が8時間かけてハーバード大学までやってきて参加者を鼓舞してくれた。MITやハーバード大学を舞台に課題解決型のアントレプレナーシップ研修で生徒がどんどん自信をつけていく姿を目撃することとなった。

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ここで代表の長井悠と共同創業者の白川寧々に再開し、さらにモチベーションを上げてロンドンに戻りネイティブマインドとイングリッシュキャンプの開発を進めていった。

白熱イングリッシュキャンプはじまる

教え合うをコンセプトに海外大学生が専門とする学問を英語で学び最終プレゼンテーションで参加者の中高生が白熱授業を創り上げる。学問を追求する面白さやワクワクを体感できるキャンプを目指してチームで議論を続けた。

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関東では母校山梨学院大学iCLAの協力を得て、関西では大阪箕面高校にてハーバード大学から5名、ロンドン大学から5名の学生を招致しイングリッシュキャンプが始まった。

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白熱イングリッシュキャンプは白熱授業を通して双方向の創造的議論を形成する空間を共創するプロジェクト型の合宿!初回の白熱イングリッシュキャンプは2泊3日で開催し関東から小中高生が集まった。このキャンプの特徴は海外大学生が専門とする学問、リベラルアーツを始めとした教養科目から心理学や哲学までを英語で学ぶことにある。日本人学習者に合わせた英語学習カリキュラムを開発して、普通の高校生でも理解できる内容に簡素化し、「言語」と「内容」を同時に習得できる仕組みを作った。

グローバルトークで世界の多様性に触れる

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キャンプの冒頭で多種多様なバックグラウンドを持つ海外大学生による自己紹介の時間。ここで日本人の参加者は初めて多様性の概念を手に入れる。肌の色も国籍も違う第一言語が英語でもない海外大学生が英語を共通語として話していること。自分の文化を認め世界から見た日本を伝え3日間の学びを作り上げようと盛り上げるとき、日本人の参加者は氷のように固まったままであった。

アイスブレイクで参加者の緊張を溶かす

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僕自身も山梨の田舎民として海外で同じ体験をしたのでこの空気感は想定済み。海外大学生1人に対して日本人大学生スタッフに付き添ってもらうことにした。教え子を含む10名の日本人大学生が非言語要素も含めたアイスブレイクで徐々に緊張を溶かしていく。彼らもまた日本から世界へ羽ばたいていった経験を持つ参加者にとってはロールモデルである。

少人数制で白熱授業を体感する

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このキャンプの醍醐味は海外大学生による白熱授業である。キャンプに参加した海外大学生は自分の学問に対する熱いパッションがある。面接時に重視したのが追求する学問に対するパッションと自分の文化に対する認識と誇りである。彼らが専門とする学問の導入レベルに落とし込み、参加者が英語で理解するため必要な足場となる言語サポートをCELTAで学んだ手法を取り入れて海外大学生に授業を展開してもらった。

学問の本質を白熱議論する

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なぜこの学問を学ぶ必要があるのか?小中学生でも面白いと思える要素は何か?ここで学んだことはどう社会に活かされるのか?この学問を人に伝えるとき何を気をつけるべきか?海外大学生と参加者はローカルとグローバルの視点から学問を議論し最終プレゼンテーションに向けて授業を創り上げていく。

世界最難関となったミネルバ大学を知る

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3日間のキャンプでは教えるために学問を学ぶだけではない。ゲストや山梨学院大学の教授陣による講義、僕の趣味である英単語ワークショップ等も行った。そんな中で参加者にもっともインパクトのあったのがミネルバ大学日本連絡事務所代表の山本さんによる次世代の学びを問うワークショップ。21世紀に到来する新しい学びを実践するミネルバを紹介して頂き最終プレゼンテーションで創造的で魅力的な授業を創り上げるコツを参加者に共有して頂いた。

参加者が白熱授業で人に教える

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3日間を締めくくる参加者による白熱授業!審査員に山梨学院大学の教授陣、保護者を巻き込んで白熱授業はスタートした。ここで垣間見れるのが参加者の理解度と主体性。理解したことしか人に伝えることは難しく、主体的に動かないと自分の口から説明することはできない。全チームが発表を終え最も独創的な惹きつけられた授業を創り上げたチームが表彰された。

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参加者と海外大学生が本音で話し真剣に議論し文化を共有するこの原体験こそ日本の学校教育に不足していると自負し白熱イングリッシュキャンプの全国展開を目指した。

ロンドンでの地獄の生活に戻る

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キャンプの準備と大学の課題に追われ親戚の集まりにもまともに参加できず正月早々イギリスに戻り図書館に籠もる生活が始まった。どう考えても読み終わらない大学の課題をいかに効率的にこなし、精読しなくても論文の概要を捉えるスキルが身に付いた。大学院の授業では議論が中心となり発言しないと欠席扱いとなる。自分のためだけでなく、授業にどれだけ貢献するかが問われる。夏のイングリッシュキャンプに向けて動き始めると同時にひたすら課題をこなし修士論文の準備を始めるという二足の草鞋生活が再び始まった。

ロンドンの大富豪との出会い

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オンボロアパートでの生活にもなれ始めた頃、家にはほぼ帰らず図書館で生活し寝るためだけに帰宅していたそんなある夜。勉強の合間に行った駅前のパブで僕は論文を片手にフィッシュ・アンド・チップスを喉に流し込んでいた。横に座ってウイスキーを飲んでいた老人が掠れた声で「論文を飲みながらフィッシュ・アンド・チップスとはユニークだね。君はいくつだ?」と急に話しかけてきた。「26歳です。」と答えると「俺の愛人と同い年だ」と告げられる。白髪でメタボ気味の老人はウイスキーを片手に自慢話を展開してきた。話を聞いてみるとオックスフォードストリートに30店舗の不動産を持ち、駅前のクラブも自分のものだと話し、若者と一緒に生活していると言う。よく理解できなかったがとりあえず家を見に来るように言われ駅から徒歩30秒のストリップクラブの横にある怪しげなドアに連れて行かれ中に入ると広いリビングとキッチン、3階建てでベッドルームが4つもあった。「ちょうど一部屋空いてるからここに住んでもいいよ」と言われ案内された部屋がこちら!

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ネズミもいない家具備え付きの綺麗な部屋であった。トイレもフロア毎についていてシャワーの水圧も今の家とは比べ物にならないほど日本のシャワーに近いものであった。ここからロンドンでの生活が一変した。老人のご厚意でリビングに日本人を呼んできてパーティーをしても良い、キッチンに置いてあるウイスキーも好きなだけ飲んでいい、本来10万円ほどするVIPルーム付きのストリップクラブも行き放題だ(←行ってません)などなど。

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毎週日本人を集めカレーパーティー(通称カレパ)を開催することとした。ちゃっかり彼も参加し自分の武勇伝を話し始めた。ここから大学での交友も増え修士論文提出の時期が近づいてきた。

レベルが高すぎた心理言語学の授業

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他学部の授業で受講した心理言語学の授業に度肝を抜かれた。この授業には日本人の僕が1人、中国人が3人、他9割ヨーロッパ人というロンドン大学では珍しいクラスだった。この授業の特徴は授業内に論文を読みグループでまとめてプレゼンをするということ。課題図書もなくこの授業内の論文を読めるようにしておくことが課題。3時間の授業でボーっとする暇が一瞬もない集中講座であった。

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授業が始まると30分程度教授の講義がありグループで議論するトピックが与えられる。このときはDo children with SSLD notice a repair?に対して批判的な意見を述べよと指示されグループで議論するものであった。学生が議論をしている間に教授は歩き回り観察し、より深い議論を生む質問をしてきます。正直後半の議論はほぼついていけない状態。最後に論文の結論と学生の意見をまとめて教育的示唆を提示し授業が終わる。与えられた複数トピックから1つ選び5,000語のエッセイを提出してこのモジュールは完了。主体的に動き批判的に思考しなければグループにも貢献できず評価されない最も厳しい授業であった。

大学院在籍中に自分を追い込み自分の限界を知る

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大金を投資しているこの瞬間を一瞬でも無駄にできない!家族やおばあちゃんの喜ぶ顔が見たい!そんな想いから自分を限界まで追い込んだ。学期中も白熱イングリッシュキャンプとネイティブマインドを広げるための努力は惜しまなかった。世界に存在するアワードに端から応募し、定期的にロンドン大学で日本の英語教育の現状やタクトピアのプロジェクトに関する情報を提供し、日本語クラスも開講し日本に興味のある海外大学生を集めた。

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さらに日本人大学生を対象としたイギリス研修も企画・実施した。現地のパートナーと組み、これまで生活したオックスフォード、シェフィールド、ロンドンを巡りながらIELTS対策をする海外研修。

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念願だった山梨の教え子をオックスフォードに連れていくという夢も叶い、オックスフォードの学生と英語でコミュニケーションをとる元教え子たちをみて感無量。山梨からでも世界を身近に感じる瞬間であった。

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さらにさらに世界最大の英語教育学会IATEFLで最新の研究結果を翻訳しブログを書き日本へ持って変えるための世界各国の英語教育に関する情報収集も行った。3年間のイギリス生活を通してタクトピアが基軸に置く創造性と多様性に触れることができた。同時に感じたのは格差の問題。この世界を知らずに死んでいく人もいる、情報さえあれば知らなかった世界に飛び込める、日本の地方からこの情報を届けていきたい。原体験を通して世界を見る目が変わるこの体験を日本全国に届けたい。そんな高い意識でロンドン大学に別れを告げ日本への帰路に着いた。


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