嶋津初の一般書籍『アジアNo.1英語教師の超勉強法(DHC)』の一部をご紹介します!⑥

コラム
嶋津初の一般書籍『アジアNo.1英語教師の超勉強法(DHC)』の一部をご紹介します!⑥

タクトピアの英語教育エキスパート・嶋津幸樹が初の一般書として執筆した『アジアNo.1英語教師の超勉強法(DHC)』。高校生時代のホームステイ先での厳しい体験がきっかけとなり、高校生ながら英語塾を起業、独学でIELTS 8.0を獲得、オックスフォード大学ロンドン大学(UCL)の修士課程にダブル合格、そして世界最大の教育会社Pearsonが主催するELT Teacher Award 2017でアジア・オセアニアから唯一受賞…と輝かしい人生を残してきた嶋津そんな嶋津の実は波乱万丈な人生ストーリーと、英語の学習法がギュッと詰まった本書籍の一部をご紹介します。


Chapter 0 祖母からの1通の手紙と3万円

思春期の僕は、自我の芽生えからか自分は何をしたいのかという問いから逃れ、外の世界にあるもっと楽しくて楽なこと、より開放的なものを探していたのかもしれない。地元の中学校は荒れていた。

私立の高校に進んでみると自分にとっては何もかもが異空間であった。頭髪検査や服装点検、妙に辛辣な規律に従わなければならないこと、自分はそこに適応できたと思っていた。しかし、自我の桎梏から開放されたいという想いがあり、中学の時からのバイクに乗るという憧れだけは消えなかった。

記憶は曖昧だが、僕は親の反対を押し切り、高校の校則を破ってでもバイクに乗りたい気持ちがあり、勝手にバイクの免許申請をしていた。母親からはルーズリーフに書かれた1枚の手紙が届いた。免許は高校を卒業してからにしてほしいという趣旨のものだった。僕は当然気にかけることもなく、毎日何か悪いことをしてやろうと企てていたのかもしれない。

ある日、郵便に届いた1通の手紙が僕の部屋の机の上に置かれていた。少し重みのある封筒に6枚の手紙と3万円が入っていた。手紙には後悔先に立たずを祖母の失敗談と共に甲州弁で描かれていた。

幸樹
風のたよりにバイクの免許をとるための申請をしたことを知りました。知られたくないことは必ず知られてしまうものです。良いことをした時はなかなか人にわからないけど、悪いことをした時はすぐ知られ渡ります。それはまわりが、みんなライバルだからです。幸樹は人をけ落としたり人をかき分けて「負けるもんか」なんて思わない性格だとおばあちゃんは理解しています。(世の中にはつげ口、密告はいっぱいです。)おばあちゃんの今迄生きて来た経験から多くの人が人の幸せは羨ましく、又、妬ましく思い、人の不幸は割合に面白がったりするものです。そんな考え方はしたくないし、全く悲しくなさけないけど、世の中なんてそんなもんだと思うのです。

幸樹は今迄しっかり頑張って、学校でも評価され、おばあちゃんたちも遠くから応援していました。このまま進めば自分の好きな道に進めるような学校へ行けるのではないか、毎朝お線香をあげるたび幸樹の大好きだったおじいちゃんに「幸樹はすごいよ、よく頑張ってるよ、何でもいいから、幸樹は将来、自分の好きな道を進めばいいよね」と話しかけています。

「後悔先に立たず」という言葉があります。失敗してどうにもならなくなった時、「ああ、あの時、あんなことをするんじゃなかった、あれさえしなければこんな事にはならなかったのに」と悔やんでも後の祭りです。若い時はなかなかそういうことが仲々分からないものです。

「私なんか若くてよく分からなかったのに、なんで絶対ダメだよ、苦労するよ、だめ、だめ、だめ、ともっと強く言ってくれなかったの、もっともっと強く止めてくれなかったの?」おばあちゃんがあることで母親に散々言った言葉です。本当に後悔しました。「あの時、美智子に言ったよ。何回も何回もよく考えろし、お母ちゃんは絶対ダメだよ。それなのに、私は絶対後悔しないってお母ちゃんを振り切って思い通りにしたんだよ。」とお母ちゃんは悲しい顔をして「我慢しろし、我慢しろし」と泣きそうに言いました。そんなことを思い出し、幸樹にもしもそんなことがあると困るなあ、おじいちゃんがいたら何と言うだろう。幸樹の将来を考えておじいちゃんも同じ思いではないかしらと考えました。

職業には上下の差はありません。皆んな平等だといつも思っています。けれども好きな道で苦労するのと、嫌いな仕事をしなければならないのでは全然違います。少しばかりの失敗で将来の進むべき道を間違えたとしたら、おばあちゃんは居ても立っても居られないいられない想いで、この手紙を書いています。幸樹がもし将来どんな道でもいい、スーパーでもサービス業でも土方のような重労働でも何をしたってやっていけるからどんな仕事でも平気だよ、という様な気持ちなら若いのだから何でもやって失敗したら又やり直せばいいと思うのですが、幸樹にはもうしっかりとした考えがあるはず、もう少し卒業まで我慢できないのですか?

おばあちゃんがこんな事を言うのはこれが最初で最後でしょう。おばあちゃんだってこんな嫌なことを言いたくないし、幸樹を褒めてばかりいたいんだよ。幸樹が思い直してくれれば嬉しいけど無理かなあ、おじいちゃんも「幸樹頑張れ、よく考えろな、な、」ってきっと言ってるよ。

三月九日はおばあちゃんの六十九才の誕生日です。誕生日が来るたびに、又何か事あるごとにおじいちゃんがいればなあと悲しくなります。余計なことばかりたくさん言ってごめんね。

少しお金を送ります。いつかバイクを買うときの足しにしてください。これからも資金に時々応援します。バイク貯金にしておいてくださいね。

おばあちゃんより


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